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通貨ペアの選び方|初心者が最初に見るべき5つのポイント

FXの通貨ペアを選ぶときに比べたい、スプレッド、値動きの大きさ、1pipsの金額、取引時間帯、スワップポイントの5点を解説します。同じ1万通貨でも通貨ペアによって損益の振れ幅が変わることを計算で確かめ、複数のペアを持つときの重複リスクも整理します。

作成日: yama

FXでは数十種類の通貨ペアを取引できますが、どれを選んでも同じ条件で取引できるわけではありません。 取引コスト、1日に動く幅、1pipsあたりの損益は通貨ペアごとに違い、同じ1万通貨を持っても結果の振れ幅が変わります。

このページでは、通貨ペアを選ぶときに比べたいポイントを順番に見ていき、最後に初心者が最初の1ペアを決める手順をまとめます。

このページについて

当サイトの内容は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘や特定の取引を推奨するものではありません。 スプレッドやスワップポイントはFX会社・口座種別・時間帯によって異なり、日々変わります。実際の数値は取引先の公式サイトでご確認ください。

通貨ペアは大きく3種類に分かれる

通貨ペアの読み方は FXとは? で解説しています。ここでは、通貨ペアの分類を確認しておきます。

種類内容例
ドル円米ドルと円の組み合わせUSD/JPY
ドルストレート米ドルと円以外の通貨の組み合わせEUR/USD、GBP/USD、AUD/USD
クロス円米ドル以外の通貨と円の組み合わせEUR/JPY、GBP/JPY、AUD/JPY

このほかに、トルコリラ(TRY)やメキシコペソ(MXN)、南アフリカランド(ZAR)など、新興国の通貨を含むペアもあります。金利が高い一方で取引量が少なく、値動きの癖も主要通貨とは違います。

ポイント1:スプレッドと取引量

最初に比べたいのはスプレッドです。スプレッドは買値と売値の差で、ポジションを持った時点でこの差のぶんだけマイナスから始まります。

取引量の多い通貨ペアほど、スプレッドは狭くなる傾向があります。世界で最も取引されているのはEUR/USDで、USD/JPYがそれに続きます。国内のFX会社では、USD/JPYのスプレッドを特に狭く設定しているところが多くあります。

反対に、取引量の少ない通貨ペアはスプレッドが広く、早朝や指標発表の前後にはさらに広がりやすくなります。売買の回数が多いスタイルほど、この差が成績に積み上がります。

ポイント2:1日に動く値幅

通貨ペアによって、1日に動く幅は大きく違います。ポンドを含むペアは値動きが大きいことで知られ、GBP/JPYは同じ時間でもUSD/JPYより大きく動く日が多くあります。

値動きが大きいと、短い時間で利益が出る可能性がある一方、損失も同じ速さで膨らみます。損切りの幅を広く取る必要があるため、同じ金額のリスクに収めようとすると、持てる数量は少なくなります。

値幅は時期によって変わります。チャートで直近1〜3か月の日足を表示し、1本のローソク足の高値と安値がどのくらい離れているかを見ておくと、その通貨ペアの動き方をつかめます。

ポイント3:1pipsあたりの金額

見落としやすいのが、1pipsあたりの損益です。pipsは値動きの単位で、円を含むペアでは0.01円、ドルストレートでは0.0001ドルを1pipsとして数えます。

1万通貨を持ったとき、1pips動くと損益は次のように変わります。USD/JPYを150円として計算しています。

クロス円・USD/JPY :0.01円 × 10,000通貨 = 100円
ドルストレート     :0.0001ドル × 10,000通貨 = 1ドル = 約150円

ドルストレートの損益は米ドルで決まるため、円に換算するとドル円のレートによって金額が変わります。

20pips逆行したときの損失(1万通貨・USD/JPY 150円で換算)USD/JPY2,000円EUR/JPY2,000円EUR/USD約3,000円GBP/USD約3,000円同じ数量・同じpipsでも、ドルストレートは約1.5倍の金額が動く

ドルストレートの1pipsは1ドル。円に換算すると約150円になる

USD/JPYに慣れた感覚のまま、同じ数量でEUR/USDを取引すると、同じpipsの逆行で約1.5倍の損失が出ます。通貨ペアを変えるときは、数量をそのまま使わず、1pipsあたりの金額から計算し直しましょう。

さらに値動きの大きさも掛け合わさります。1日に動く幅がUSD/JPYの1.5倍ある通貨ペアなら、同じ数量で持ったときの1日の損益の振れ幅も1.5倍になります。

ポイント4:よく動く時間帯

為替市場は平日ほぼ24時間開いていますが、通貨ごとに取引が集まる時間帯があります。日本時間でおおよそ次のとおりです。

市場日本時間の目安動きやすい通貨
東京9時〜15時頃円、豪ドル
ロンドン16時〜翌1時頃(冬時間は17時〜)ユーロ、ポンド
ニューヨーク21時〜翌6時頃(冬時間は22時〜)米ドル

会社員が夜に取引するなら、ロンドンとニューヨークが重なる21時以降に動くユーロやポンド、米ドルを含むペアが候補になります。日中に取引できる人なら、東京時間に動きやすいUSD/JPYやAUD/JPYを見る機会が増えます。

自分がチャートを見られる時間に動かない通貨ペアを選ぶと、エントリーの機会が少なく、寝ている間に大きく動くことも増えます。

ポイント5:スワップポイントと金利差

ポジションを翌日に持ち越すと、2つの通貨の金利差に応じたスワップポイントが付きます。高金利の通貨を買えば受け取りになることが多く、数か月単位でポジションを持つ人にとっては無視できない金額です。

ただし、高金利通貨には注意点があります。新興国通貨は円に対して長い期間をかけて値下がりしてきた例が多く、受け取ったスワップポイントより為替差損のほうが大きくなることがあります。

仮に1日あたり30円のスワップポイントを受け取れる通貨ペアを1万通貨持ち、1年間保有したとします。

1年間のスワップポイント:30円 × 365日 = 10,950円
1円の値下がりによる差損:1円 × 10,000通貨 = 10,000円

1年かけて受け取ったスワップポイントは、レートが約1.1円下がるだけで消えます。スプレッドが広い、週明けに価格が飛びやすい、といった点も主要通貨とは違います。

短期の売買が中心なら、スワップポイントは比較の優先度を下げても構いません。売りでポジションを持つと支払いになることも多いので、持ち越す前に確認しておきましょう。

複数のペアを持つときは重複に注意

通貨ペアを増やせばリスクが分散されると考えがちですが、実際には同じリスクを重ねているだけのことがあります。

たとえば、USD/JPYとEUR/JPYを両方買うと、どちらも円を売っているポジションです。円高に動けば2つのペアがそろって下がり、損失は2倍になります。EUR/USDとGBP/USDも同じ方向に動きやすい組み合わせとして知られています。

複数のペアを持つときは、通貨ペアの名前ではなく、通貨ごとにどれだけ買っているか、売っているかで考えます。円をいくら売っているか、米ドルをいくら買っているかを合計すると、本当の偏りが見えてきます。

初心者が最初の1ペアを選ぶ手順

  1. 最初はUSD/JPYから始めます。スプレッドが狭く、ニュースや解説も見つけやすく、損益も円のまま計算できます。
  2. チャートを見られる時間帯を確認します。夜しか見られないなら、ユーロや米ドルが動く時間に合うかを確かめます。
  3. 慣れてきたら2つ目の候補を探します。日足を表示して1日の値幅を確認し、USD/JPYとどのくらい違うかを見ます。
  4. 数量を計算し直します。1pipsあたりの金額と値幅から、損切りまでの損失が許容範囲に収まる数量を決めます。

通貨ペアごとのロスカットレートは FXロスカット計算機 で確認できます。損切りの位置から持てる最大ロットを逆算したいときは フルレバレッジ計算機 を使ってください。数量の考え方は レバレッジとは? でも詳しく扱っています。

まとめ

通貨ペアは、スプレッド、1日の値幅、1pipsあたりの金額、動く時間帯、スワップポイントの5点で比べます。取引量の多いペアほどスプレッドは狭く、ポンドを含むペアは値動きが大きくなります。

同じ1万通貨でも、ドルストレートの1pipsは約150円、クロス円とUSD/JPYは100円です。通貨ペアを変えるときは、数量をそのまま使わずに計算し直す必要があります。

高金利通貨のスワップポイントは、わずかな値下がりで消えることがあります。複数のペアを持つときは、通貨ごとの買いと売りを合計し、同じリスクを重ねていないかを確認してください。

yama

兼業FXトレーダー / I Love FX 運営者

会社員として働きながら、2018年からFXを続けている兼業トレーダー。自分がつまずいたポイントを中心に、初心者が遠回りしないための情報を発信しています。